市場経済・民主主義・デフォルト(破綻)
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2012年の暮れの選挙で自民党が「大」躍進して
嘗て政権を投げ出した安倍晋三が、また総理になった。
選挙直前にぶち上げた「お札を物価が2%上昇するまで無制限に印する」
という規律無視の発言で、円安・株高になり、
企業経営者は「取りあえずホッとした」が、心ある人達は心配もある。
もしかしたら、お米を買うのに、お札をリヤカーで運んで行く様な
「狂乱物価」がやってくるかもしれない。早いとこ金でも買っておく方が良い。

いままでは円高が止まらなかったが、これは円高ではなくて、ドル安だといわれた。
日本の財政状態は決して良くないのに日本国の通貨(信用)が買われてきた。
其れが「無制限に円を印刷する」と言ったら、当然ながらドンドン信用が落ちて円安になった。
空手形・空証文のようにお札を「沢山」印刷するという。
ドル紙幣とバランスする程度に「沢山」印刷するのだろう。

アメリカでは
債務不履行になるかもしれないので、国債の発行限度額を上げようと言う大統領の提案に対して
民主主義の議会では、夫々が勝手なことを主張して、国が債務不履行になると言う緊急時に、
素直にOKの答えが出せない。
そこへきて、自由主義経済国特有の「格付」をする会社がアメリカ国債の格付(信用度)を下げる。

アメリカの国債を大量に保有している国は日本と中国だ。円高が進むと日本の保有資産は
円建てでどんどん目減りする。また輸出ができにくくなる。
逆に円安になればこの逆で、資産評価は増えるし輸出は、し易くなる。
ドル建ての輸入品の価格は跳ね上がる。特にガソリンは高くなる。

一方ヨーロッパでは、ギリシャが債務不履行の危機にあり、救済策を議論しているが、民主主義国では
「他国が経済を良くする為に勝手に作った借金を、何故我々の血税で穴埋めしなければならんのか」
と言う民衆の議論があって、スムーズに救済に向かわない。
同じようなことが、イタリヤやスペインでも起こりそうなのだが、今度は
債務国の民衆が「耐乏生活は御免だ!」と言って、救済条件に従うことに反対する。
かくして、円はユーロに対しても安定感があるということで「買われて」円高になった。

さて 実際問題として、民主主義の国では、
当面の暮らし向きが良くなる事を望む民衆が多数を占める中で、「選挙」をする訳で、
政権担当者が「国民が楽に生活し、負担を掛けないように、高い税金を求めない」という
人気採り政策を続ける傾向にある。
その帰結として、国民の借金返済義務感は減退し・債務は返済能力を超えて膨らみ
「デフォルト」の危機になるのだ。
そして、厳しい借金返済手順を突き付けられて、「無知だった」「主権者」たる民衆は
ただ驚き・抵抗するだけで、事態解決の為に「重労働・重税」を
責務として受け入れようとはしない。
そして為政者の責任にしようとするが、
蓄財した為政者は「信任さてれやった」と、「主権者の責任」にして知らん顔をする

自由経済・市場原理の下では、安全な通貨が買われて円高になった。
そこで高く売れる「円を、安くなるまで沢山印刷」して市場に出す。
価値を下げた円は、円安になり、輸出しやすく且つ株高になったと主権者に歓迎され
為政者は価値を下げた通貨と共に信任される。
かくして、「悪貨は主権者に囃され」
「価値が減った安っぽい貨幣が、価値ある貨幣にとって代わる」
民主的な主権者が「不健全な貨幣の減価スパイラルを推進する」原動力になる

財政規律等と言うが、そんなものにお構いなしに、「世間が求めるままに」
大盤振る舞いした安倍晋三は国を救えるのでしょうか
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