経済の実体と虚体 : 実体経済と虚体経済
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アメリカで発生したサブプライムローン問題が 世界を金融危機に陥れてしまった
ところでニュースを見たり聞いたりしていると こんなことを言うのだ
「金融危機がいよいよ実体経済に影響を及ぼし始めた」と
素人の私には この意味がさっぱりわからないのです
経済活動に「実体」と そうでない活動があるらしい
「実体」でないとすると「虚(嘘?)体」経済とでも言うのでしょうか?
昔 「実業」と「虚業」ということを聞いたことがある
辞書を開いてみると「実業」は、生産的・経済的な事業、とあるが
「虚業」というのは 載っていない
そこで 貧しかった子供の頃
父親が町に繭を売りに行って 肉を買わずに
買ってくれた辞書(新村出 言苑 博友社 昭26年版)を見ると
「虚業:投機のように堅実でない営業」
そして「実業:農・工・商業等の如き生産・経済に関する事業」とある
面白いのは 「実業」は経済に関する事業となっているのに
「虚業」は単に営業で、経済との関係については触れていない。
戦争直後は 投機は虚業で経済活動ではないと思われていたのだろうか?
「実体経済」活動というのは 「実業」の延長線上にある 生産的経済活動で
「実体」でない経済活動は
「虚業」と言われていた時期があった 投機などお金でお金を儲ける
金融的活動ということになるらしい
しかし お金・Moneyが経済活動を円滑に動かす上で欠かせない役割と
力を備えていることを悟ると、 さすがに「虚業」とは言えなくなって
辞書から言葉が消えたと推測する
そして お金は 水戸黄門さまの印(薬)籠のように
「持っているぞ!!」と言うだけで「効用」が出ることを悟った
知恵のある人は こんな手法を「ビジネスモデル」と言い 利益をだした
「投機」が「投資」と言い直されて 時の政府が アメリカに釣られて認め
「虚業」と言われていた部分が繁盛することとなった
「虚業」としていた「部分」が 言わば「ソフト」な経済活動となったわけだ
魚だって 米だって流通の途中に介在して利益を上げる人がいる
お金だって 同じように「流れの中途」に介在して
利益を上げる人がいても何の不思議もない
しかし どちらも 溜め込んだり 無いのに有る振りをして
「流れを操作・阻害」すると
流れに混乱と不信が生じて 機能不全に陥り 辺りに被害が出る
「見せ金」で値段を吊り上げて 暴利を貪る
「見せ金を持っている」と言う噂を「信用」と言い
「信用ある人は 未来にも利益を出すはずだ」と思い込んで お金を預ける
こうして 「見せ金」と「信用」が 「噂」と「未来」を梃子にして膨らむ
しかも「見せ金」は 「数字」に置き換わり 記録がコンピュータにあるだけだ
まさに お金と言う「実体」が 数字と言う「虚体」に変わってしまった
こうなると 「営業」は「空想の世界」で動くから 暴利も桁外れに大きくなる
「噂」が「嘘・虚」となり 「信用」が「信用できなくなる」と
「欲の連鎖」が「未来」に繋がらなくなる
「バブルが弾け」て コンピュータ上の数字は「虚利」となる
こうして 「実体でない経済」が破綻する、と言うのだが
もともと 砂上の楼閣ならぬ 「欲」上の「信用」上と言う
ダブル不安定の「液状化現象の砂上」に築かれた「経済」だ
「見せ金」の効果が及ぶ範囲を ネズミ講のように無限として扱い
世界中に拡げた処に無理がある。
だから問題が起きても 「効果」が及んでいる範囲が見えない
即ち コントロールされてない無管理状態・糸の無い凧だ
見せ金で何とか誤魔化せる範囲:「信用の限度」:
凧には切れない丈夫な糸を付けるが肝心です
経済は「実体経済」と「管理されたソフト経済」の両輪で
健全に動くと言うことでしょうか
しかし「投機的」活動で稼いだお金で 家を買ったり自動車を買ったりする
「虚体経済活動」が生産活動・「実体経済」を支えてもいるわけだ
即ち 今や「実」と「虚」は 独立しては有り得ない
だから
「金融危機がいよいよ実体経済に影響を及ぼし始めた」
と言うのは不正確な表現で もともと相互に影響し合っているはずだ
ただ「虚→負」の部分があまりにも大きいので
「虚」の部分に支えられていた「実」の部分の「負」も大きい、
ということだ
ただ「虚→正」の時 言わばバブル時にも 大声で注意すべきなのだ
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結局 金融危機は 欲の連鎖 即ち ムサボリック症候群 と
これを管理できない ポリティカルプアー の産物と言える
実体経済とソフトな経済(金融)はもともと独立ではない
ので常に影響し合っているはずだ
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私の意見